今回のネタは、半ばジョークですが、ところどころ生々しい話がチラホラ出てきます。
【第12回男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会議事要旨】
http://www.gender.go.jp/kaigi/senmon/boryoku/yousi/bo12-y.html
林陽子 委員(弁護士)の方の発言要旨
「調教ゲームや強姦ビデオなどの製造販売が、犯罪組織の資金源になっているということを明らかにすれば、このような問題に対する社会の見る目も変わってくるのではないか。」
この発言が、エロゲ界隈では、ちょっとした話題になりました。
ここで言われている「調教ゲーム」というものが、私達が作っているエロゲの一分野商品を指して言っているのではないか、という懸念があるわけです。「強姦ビデオ」というのは、多分、実写アダルトビデオの事を指すのでしょう。「犯罪組織」というのは、つまり暴力団、ヤクザですね。
エロにもオタクにも知識が無い方々には、実写エロと二次元エロの根本的な違いもわからず、2つをごっちゃにしてしまうのは、分からないでもありません。しかし、前者はヤンキー文化圏に、後者はオタク文化圏に属しており、両者は交わりません。
私は15年程エロゲ業界に居ますが、Twitterにも書きましたがヤクザ関係者がこの業界に長期的に関わっているという事例は、寡聞にして知りません。ヤクザマネーが一時的にエロゲ会社に注ぎ込まれているという噂は(あくまで噂レベルで、ウラ取りは出来てないレベルで)時々耳にしたのですが、それも全て失敗例で、半年から2年程度で手を引いたというような話ばかりです。
まあ、そんな抽象的な話では納得出来ないかも知れませんが、簡単な経営シミュレーションをしてみましょう。
実写と二次元それぞれで、2,000〜3,000円のエロDVD商品を作るとしましょう。
実写AVの場合は、AV女優と男優、それと撮影隊が必要で、撮影時間は1日から2日。制作費は、女優さんがトップクラスなら出演費は100万円、セカンドクラスなら50万程度だそうです。撮影スタッフや機材、スタジオ代が1日分で多く見積もって100万円として、合計200万円。
一方、エロゲで2,000〜3,000円クラスの商品を作る場合、エログラフィック枚数は20〜30カット程度は必要です。そのボリュームに見合うシナリオ量と、セリフ数から音声収録費用やプログラムの組み込み費用や、細かい部分は端折りますが、あれやこれや計算すると制作費はかなり安く見積もって200万円です。おお、丁度同じぐらいですね。
ただし、エロゲの場合、製作時間が長くかかります。当然ですが、1日2日では作れません。このボリュームだと、大急ぎで作っても2ヶ月はかかります。
1タイトルあたりの売上額(出荷本数)は、実写商品も二次元商品も、だいたい似たようなものです。
つまり、儲けは同じ程度でありながら、実写商品の方がはるかに効率が良いわけです。
それなのに、あえて苦手な(ヤクザ関係者は概ねヤンキー文化圏に属するので、オタク文化は苦手にしている)エロゲ商売に手を染めようとするヤクザが居るなら、それはこういった事情を知らない無知な人か、経済観念が低い人か、税金対策のために損を承知で投資したか、その3つの内いずれかでしょう。どれにあてはめても、結局はヤクザマネーが浪費されるだけであって、反社会組織の資金を減らすことはあっても増やすことなど無いのですから、むしろエロゲ会社は感謝されても良いんじゃないかしら?
まあ、結局、エロゲ商品ってのは大当たりしても、そもそもの市場規模の大きさから言って、それほど大きな利益率は期待できないわけです。
高リターンを狙うなら、同じ二次元コンテンツでも、ソーシャルゲームの方が遥かに儲けが期待できるでしょう。その代わり、エロゲとは比べ物にならないぐらいハイリスクな市場でもありますけどね。はたして、オタク的なノウハウを持たないヤクザさん達がそのハイリスク商品の中からアタリを見出す事ができるかどうか。
2015年03月06日
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