ところで――
先日、「15歳」の作品ボリュームを公表した際に、テキスト量が200KBで、「最初はもっと短くするつもりでした。」と書いたのには、僕個人の、アダルトゲームに対する思いがあるからです。
僕には、アダルトゲーム――いや、エロゲの――テキストは「エロス」を盛り上げる為の一要素であるべきだ、という思いがあります。グラフィックや音楽、ボイスと一緒になって、それは効果を生むのです。
その為には、テキストはそれらと歩調を取っていなくてはならない―――決して冗長であってはならず、ト書きやストーリー部分は、書き散らすよりも、絞り込んでいくべきです。
逆に、滑った筆で読者のエロスを萎えさせるような真似はしてはなりません。それぐらいなら、説明不足で舌足らずな方がマシだ―――とさえ考えています。
なんで、こんなことを書いたかというとですね・・・・・・
最近―――特に2005年から以降―――昔よりエロゲが売れなくなった、と、よくショップやメーカーなど「業界関係者」から聞かされます。
その理由について、「業界側」の見方は
・CD、DVDのコピーが蔓延するようになった
・Winnyによる被害が無視できない
・若者がケータイにお小遣いを使ってしまってゲームを買わない
など等で、それなりに説得力があります。
しかし、『Fate』はシリーズで30万本に迫る販売数を上げていますし、僕が勤めていた会社のタイトルでもコピープロテクトの有無に関係なく売れる物は毎月多くのリピート注文が来ていました。
つまり、売れる商品は、確実に売れています。
という事は、売れない商品が増えた、という事です。
それはつまり、客の興味を惹かないソフトが増えた、という事です。
以前なら、読みたい本、見たい映画を我慢しても、このゲームを買おう、と言わせるだけの魅力ある商品がアダルトゲーム市場には溢れていたのに、今は 「同じ金使うなら、ハルヒのDVD買おうかな」 と思っちゃうわけです。
お客さんの側にとっては、これはどうでもいい話でして、良い商品が出たときだけチェックすれば済むのです。
しかし、制作・販売に絡む側からすると、これは相当由々しき事態です。ヒット作なんて年に数本ですから、それだけに頼った商売なんて、あまりに綱渡りです。
商売を続けるには、送りバントと言うか、悪い言い方をすれば場繋ぎ的な商品でも、そこそこの商いになっていないと、特に流通の方々は困ります。
それにしても、どうしてエロゲは、いつの間にかこんなに商品力を失ってしまったのでしょう?
僕は、その理由の一つは、テキスト量の肥大化が招いた事なのではないかと思います。
その為「商品に合わないシナリオ」が数多く出来上がり、所謂「アタリショック」と同じ事態――市場の顧客離れ――を進行させてしまった事です。
―――この話、長いのでいったんココで切ります。

それだけ、似たような作品が多い事も事実ですが。
fateは例外中の例外ではないでしょうか。
同人時代の積み上げもありましたし。
その辺りの新規メーカーが出すのとはちょっと違うようにおもいます。
また、エロゲのユーザや全体の人数は変わっていないのに対し、発売されるタイトル数が多すぎるのも売れない要因ですね。
二重カキコ失礼しました。
2重カキコの部分は消しておきました。
前に、知り合いのライターさんが
「『Fate』ってのは、アレはエロゲーじゃなく、『Fate』っていう一商品ジャンルだと思え―――同義語に昔は『Key』『Leaf』って商品ジャンルがありましたな」
と笑ってましたが、そんな気もします。エロゲ知らない人でも『Fate』は知ってますもんね。
しかし、面白いけど長いっすよFate…去年からちまちまプレイしてるのに、まだ本編が終わらない…そして、そろそろタイガー道場コンプリート…
しかしPCゲームとして売る場合、エロが無いと置いてくれる店が無い。
なので少なくともエロを入れる必要性が出てくる。
エロが無いPCゲームもありますが、Keyみたいな大手メーカーじゃないとかなりの冒険です。